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「いま中学で勉強している英語は文法中心なんだけど、それってとっても必要なんだよ」
「えー!うそぉ。ぜーんぜんペラペラ英語につながらないみたいだけど」
「うーん。英会話って言われているヤツだね、それは。話す英語」
「そうそう、英会話」
しばらく話をしているうちに、私はだんだん落ち着いてきました。
「駅で外国の人が切符を買うのに困っているとき、『どちらまで行かれるんですか?』って英語でペラペラって言えたらいいじゃない?『何番線で乗り換えて、ナントカカントカー』って。それに海外旅行では英語が一番通じるっていうし。会話よ、やっぱり英会話」
「そうだね、英会話ってできたらいいよね。でもね、英語で『話す』っていうは英語学習の最後の段階なんだよ。一番難しいの。英作文とか学校でやるでしょ?あれを瞬間的にやってるのと同じ」
「えー?!英作文って私が英語の授業で一番苦手なヤツじゃないの。文法規則を習って、それに当てはめて知ってる単語を並べるわけでしょ?」
「そうそう、それそれ。知ってる単語を並べるの。それを正しい発音とイントネーションで、自然に、感情をのせて話すのが英会話。もちろんその場に合った表現でね」
「ひゃー。そんなの絶対無理じゃない。瞬間的に英作文をやって、それを自然に話せなんて言う方が間違ってるわ。だいたい『図書館に行ってきた』を習うのにだって、あと二年待つっていうのに、英会話なんて夢の夢よ。
どおりで町中で英会話学校を見かけるわけよね。学校の英語だけじゃ、たりないんだもの。そうそう、ウチのお母さんだって『学校の英語はできたのよ』とか言ってるけど、全然話せそうにないし...。
...なんでそんな使えない英語を学校で習わなきゃならないの?まったく!私、生まれてくる国を間違えたような気がするわ。アメリカに生まれればよかったのよ。生まれた環境が英語だけだったら、自然と英語話してるわけでしょ?青い目で金髪でスタイルが良くって...」
なんだかだんだんムカムカしてきて、気がつくと、私は会ったばかりの「クマ」に今までの不満を、英語に関係ないものまで混ぜてぶちまけていました。
「使えない英語じゃないよ。ちゃんと使えるの。ただ細かい文法にかたより過ぎかなって感じはするけどね」
「あ、ところでアンタ、さっき『文法を教えてあげる』とかなんとか言ってなかった?」
「『クマ』だって。覚えてよね、ボクの名前。それから、教えてあげるのは『文法』というより、『英語のしくみ』なの」
「『英語のしくみ』?それってなにか役に立つわけ?」
「うん。これからの学校の勉強の先取りみたいなことができるし、ケイコちゃんが自分で勉強する時にとても役に立つんだよ」
「え?『私が自分で英語を勉強する』ですって?」
「そう、学校の勉強だけじゃたりないからね」
「とんでもない!あんな分かりにくい暗記科目をあと何時間も自分でやれっていうの?!」
「違うんだなー。ケイコちゃんが自分でする英語の勉強っていうのはどちらかというとトレーニング。実際に話すため、使うためのトレーニングをするんだよ、自分で」
「自分でって、じゃ、アンタは...ああ、『クマ』だったわね。『クマ』は私に何を教えてくれるって言うの?」
「だから、『英語のしくみ』を教えてあげるの。自分でトレーニングできるように」
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