クマが教える英語のしくみ


1-7■ え?Sがつくの? ■

「ひゅー、ひゅー、じゃなくてね。これ英文にしてみて」

「楽ラクー。主人公は一番目。love の次の人は三番目。だから答えは He love her.。へへ、これでウワサ話ができちゃうね。冷やかしちゃお。ひゅー、ひゅー」

「残念でした。不正解」

「えー!!どうしてよー。ちゃんと『主人公は一番目、love の次の人は三番目』ってやって並べたのにー。なんで違うのよー」

「正解はね、He loves her.

「え? Heher も合ってるじゃないの。loves が付いてないから間違いなの?もー。なんかこれ、ヒッカケって感じ。そういうこともあるって最初から教えてよね!」

「あはは。ごめん、ごめん」

「ま、とにかく、loves っていうふうに 『s』が付くときもあるわけね。じゃ、それっていったいどういうときですか?先生」

「はい。クマ先生がお答えいたしましょう。 love っていうのは『愛している』とか『大好きだ』っていう意味の、『動詞』(どうし)といわれる種類の葉なんです。動作や状態をあらわす言葉のことを『動詞』っていうんです。 日本語では、語尾を伸ばすと『う』の音で終わるものがだいたいそうです。『走るーぅ』『歩くーぅ』『勉強するーぅ』。まぁ、『勉強するーぅ』は『勉強』っていう名詞に、『する』っていう言葉がついて動詞化されているんですけど」

「...はあ。わかるような、わからないような...」

「とりあえず、『動詞は動作や状態をあらわす言葉』だって覚えてね」

「はい。ノートに書いておきましょう。『動詞は動作や状態をあらわす言葉』...」

「で、英語の動詞は大きく二つに分かれるんです。それは、love, run(走る), walk(歩く), study(勉強する) のような一般動詞(いっぱんどうし)と、am, is, are のようなbe動詞(ビーどうし)です。 簡単に言うと、be動詞以外の動詞のことを一般動詞って言うんです。be動詞は後で勉強しましょうね」

「はあ。be動詞以外の動詞が一般動詞。一般的なんだ」

「そうです。で、love みたいな一般動詞は『主語が三人称(さんにんしょう)で、単数で、現在形(げんざいけい)のときに s が付く』んです」

「ちょ、ちょっと。急に難しくなっちゃったんですけどー。もっとわかりやすく説明してください」

「はいはい。では、もう一度『人称代名詞(にんしょうだいめいし)の表』を見てくださいね

「『人称代名詞の表』?あー、なんか変わってる!ピンクで書いてあるのもあるし」

「オホン。表の左側が単数形(たんすうけい)、表の右側が複数形(ふくすうけい)です。単数って、一人や一個のことね。複数は二人や二個以上のことです。これは知ってるよね。 で、表の左端に『一人称』(いちにんしょう)『二人称』(ににんしょう)『三人称』って書いてありますね。これは人数とは関係ないんだよ。『三人称は he, she, it の三人か...』なんて覚えないでね。

『一人称』って『私』、つまり『自分』のことです。はい、では、自分のことを指さして" I "って言ってみて」

I

「そうそう。で、次は『二人称』です。『二人称』っていうのは、自分とお話をしている相手、『あなた』のことを言います。はい、じゃ、ボクのことを指さして" you "って言ってみて」

you

「そうです。では、問題の『三人称』です。『三人称』は『自分』でもなく、お話をしている相手の『あなた』でもない、ちょと離れているところにいる『彼』(男の人)とか『彼女』(女の人)のこと。それから、モノの場合の『それ』なんかも『三人称』です。 その場にいなくて、話題にのぼっている人のことも『三人称』であらわすんだよ。 じゃ、あそこにウサギさんがいるから、ウサギさん指さして" she "って言ってみて」

she...てことは女の子なのか。あのウサギさん」

「そう。で、もし、ケイコちゃんがウサギさんとお話をしているときに、ボクの話題になったら、ボクのことを思い浮かべながら" he "を使うわけ」

「そうかー。で、この表の" he, she, it "がそういう『三人称の単数』ってことになるわけね」

「そうそう。その三人称単数の" he, she, it "が文の主人公、つまり主語で、現在の文のときには一般動詞に" s "がつくっていう話なの。過去形でも未来形でもなく、一般動詞が『現在形』っていう形のときに" s "がつくんだよ」

「そうかー。 He loves her.He が主語で、現在形の文だから、loves がついたのね。あ、もしかしたら、過去形とか未来形とかを習うとまた別のものがついたりするの?」

「ううん。三人称の単数がめんどくさいのは『現在形』のときだけだから安心してね」

私はホッとしました。もうこんがらがってきて、これ以上難しくなるのなら『英語のしくみ』とかいうのは教わるのやめて帰ろうと思ったくらいです。

「でね、学校の先生は『主語が三人称で、単数で、現在形のときに一般動詞に s が付く』っていうのを略して、『三単現の s 』って呼んじゃってるんだよ」

「あー!それだったのかー!サンタンゲンのs、サンタンゲンのsっていうのはー。『主語が he, she, it で、現在形の時に、一般動詞にs がつく』ってことだったのねー。やっとわかったー」 私はじゅ文の謎がとけたような気がしてうれしくなりました。