クマが教える英語のしくみ


3-5■ かたまり見っけ! ■

「ああ、きのうは『また明日!』なんて言っちゃったけど、なんだか今日は『森の教室』には行きたくないな。だって、どんどん文法用語が増えていくんだもの。私の頭の中は英語で...、っていうより、文法用語でパンクしそうよ」

とかなんとか言いながら、学校が終わると、また森の前に来てしまいました。すると授業開始の音がまた、『カラン、コローン』。

「やぁ、こんにちは」

「...ちわ。私が着くと同時に鐘が鳴るのね」

「そうなの。この森には『時間』ってないからね。ケイコちゃんが来た時が授業の始まり」

やっぱり。この森には時間がないんだ...。でもどうして?不思議...。

「さて、今日は前置詞のお話。きのうも出てきたね。6番目の品詞。

6 前置詞: 名詞の前に置かれ、時、場所をあらわす語

前置詞はね、名詞や形容詞と比べたら数はずーっと少ないの。で、前置詞がわかると、すごく文章のしくみがわかりやすくなるの。本当だよ。では、きのうの例文に、もう一度登場してもらいましょう。

He swims in the river every summer.
(彼は毎年夏になるとその川で泳ぐ)

この文章の中には一つ前置詞が含まれています。どれでしょうか。ちょっと辞書で調べてみてください」

「くー。この『辞書で引く』という作業がめんどくさいのよねー。ぶつぶつぶつ」

「ぶつぶつ言ってないの」

「わからない単語は... in, river... river はたぶん『川』だろうな。聞いたことあるもの。every, summer...サマーってくらいだから『夏』だろうね、これ。...えーっと...。はい! 引けました!」

in《前》 [場所・位置] …の中に [で, の] , の内に, …に

river《名》川

every《形》 毎…, …ごとに

summer《名》夏

「単語の次に書いてある《前》《名》《形》とかいうのがきっと品詞のことね。前置詞、名詞、形容詞。とすると前置詞は『 in 』だ!」

「はい。ご苦労様。『 in 』っていうのは『〜の中に』とか『〜の中で』っていう意味の前置詞なの。『6 前置詞: 名詞の前に置かれ、時、場所をあらわす語』からわかるように、前置詞の後ろには名詞がくるの。

  in   the river
 
〜の中で   
  前置詞     名詞

で、前置詞とその後ろにくる名詞で意味の上でひとかたまりができるんだよ。 この例文でいくと in the river でひとかたまり。『川の中で』っていうかたまりだね。

で、この貴重な前置詞を見つけたら、すぐその下に『 p 』っていう記号をふっちゃおう。『 p 』は『前置詞』の英語の preposition の頭文字ね。で、その後ろにくっついてくる名詞は『前置詞の目的語』とよばれるの。前置詞の後ろには必ず前置詞の目的語があるの。その名詞の下には『 op 』っていう記号をふってね。これは『前置詞の目的語』(object of preposition)の頭文字。 そして、『 p 』『 op 』って書いたら、すぐさま、『かたまりだ』っていうしるしに(  )でくくろう。こんなふうにね。

 (in  the river)
  
p    op
  前置詞 前置詞の目的語

これで、『川で(川の中で)』っていうひとかたまりができました。 じゃ、ついでに主語、動詞にも記号をふっておこうか。主語が、動詞がだったね。そうするとこうなります。」

He swims (in the river) every summer.
  s  v   p   op
彼は泳ぐ/(川で)/毎年夏に

「あー!それじゃー、名詞は前置詞の目的語になるっての書いておかなきゃ!」

「あ、そうだね。ノートの名詞の働きのところに付け加えておいてね」

名詞は...
@ 主語になれる。
A 目的語になれる。
B 補語になれる。
C 前置詞の目的語になれる。

「ところで every summer には記号はいらないんですかー?私、なんか書きたいんだけど」

「そうだね。every『毎』(形容詞) summer『夏』(名詞)で文の要素( S, V, O, C )にはなってないけど、『毎年夏に』っていう意味のひとかたまりになっているよね。で、その『毎年夏に』は『泳ぐ』っていう動詞を修飾していると考えられます。『毎年夏に』→『泳ぐ』っていうふうにね。つまり副詞みたいな働きをしてるひとかたまりだから、この every summer にも(  )をしておきましょうか」

He swims (in the river) (every summer).
  s  v   p  op
彼は泳ぐ/(川で)/(毎年夏に)

「おお!なんだかいい感じー。彼は泳ぐ、川で、毎年夏に」

「はは。ネイティブの人はこういう順になるように考えながら話してるっていうのがわかるよね、かたまりごとに。 なんだか『英語のしくみ』勉強してるって感じがするでしょ?」

「するするー」

「はは、ところで、(  )なんだけど、『意味のあるひとかたまり』を表す記号って言ったでしょ?その『主語と動詞を含まない、関連している語の集まり』のことを『句』っていうの。句には名詞句、形容詞句、副詞句の3つがあります。つまり名詞みたいに働いたり、形容詞みたいに働いたり、副詞みたいに働く語のグループってことだね。 今回の2つの(  )は(川で)→(泳ぐ)、(毎夏)→(泳ぐ)っていうふうに動詞を修飾しているから2つとも副詞句だね」

「はー。かたまりが名詞や、形容詞や、副詞みたいな働きをするってことなのね」

「そうなんだ。英語では、この『かたまりがいろいろな働きをする』っていうのが、すごく重要なの。覚えていおいてね。

「ハイ」

「それから、英文のだいたいの決まりなんだけど、最初は主語・動詞で始まって、終わりに場所時間の情報がくるの。今回の例文でいうと、場所が (in the river) っていう副詞句(前置詞句)、時間が (every summer) っていう副詞句なの。もし、時間の部分を強調したくなったら、その部分を前に出して、 Every summer, he swims in the river. なんて言うこともできるの。でも、基本的には『場所』や『時間』は文の終わりのほうに来るって覚えてね」

「おー。やっぱり今日は来てよかった」

「え?来たくなかったの?」

「え。いえ、そーゆーわけじゃないのよ。えへへ」