クマが教える英語のしくみ


6-5■ 名詞みたいな不定詞句 ■

「こんどは不定詞のほうです。不定詞の形は『 to +動詞の原形』です。たとえば、to go とか to live は不定詞です」

「じゃ、be動詞だったら to be とかになるわけ?原形になるわけだから」

「そういうこと。で、不定詞の意味は動名詞と同じく『〜すること』です。では、前回やった『私は本を読むことが好き』っていうのを今度は不定詞を使って英文にしてください」

「えーっと、to のあとに動詞の原形ね。じゃぁ、I like to read books.

「そういうこと。正解。じゃ、それに記号ふってみて」

I が主語、like が動詞...っと。不定詞『句』っていうからカッコして...」

「そうだね。動名詞と同じように不定詞句が動詞 like の目的語になっています。ではさっそく不定詞が含まれている文章を考えてください」

@ I hope to see you soon.

A He decided to write to his mother.

B We are planning to go to Okinawa next month.

C I want to drink coffee.

D I would like to have breakfast.

E It is a lot of fun to skate in the lake.

「『 to +動詞の原形』が不定詞で『〜すること』っていう意味だと...」

「『 write to〜』で、『〜に手紙を書く』ね。前の to は不定詞の to 。後ろの to は前置詞の to ね。こんな感じでいいかなー。なんか立体的になってきちゃったけど」

「うん、いいの。 to write to his mother が全部で目的語になっているのがわかるよね。まず、自分にわかりやすいように書いてみてね。ちょっとくらい違う書きかたしても、全然オッケーだからね」

「そうなのね。わかった」

「これは動詞の部分が現在進行形だったね。動名詞じゃない、と」

C I want to drink coffee.

「なになに、want は『欲しい』という意味だけど、want の後に不定詞がくると『〜したい』という意味になる...か。じゃ、こうかな?」

「ねえ、この want to っていうの、普通の生活でよく使うんじゃない?」

「うん。すごく使う。『〜したい』ってとても日常的だものね。寝たい、食べたい、帰りたい」

I want to sleep. I want to eat. I want to go home. かな?」

「そうそう。go home home はこのとき副詞だから前置詞 to はナシね。 で、この want to はね、会話では『ワナ』に近い音に聞こえたりします。アワナゴーホーム、みたいにね」

「へー。ワナねぇ。あ、それから、『〜したくない』っていうときは?」

「否定文にして、I don't want to go home.(帰りたくない)。 疑問文だったら、Do you want to go home?(帰りたいの?)だね」

「そうかー。不定詞が含まれていても、否定文、疑問文の作り方はやっぱり動詞が基準になるのね」

「そういうこと」

D I would like to have breakfast.

「助動詞 would が入っているけど、どうなんだろう?ていねいになってるの?」

「そう。would like to want to よりていねいな表現です。レストランで注文するような時とか、まだあまり親しくなってない人なんかに使います」

「はー。それじゃ、これでいいのかな?」

「そうだね。would like のあとに名詞がそのままくると、『〜が欲しい』っていうよりていねいな『〜をいただきたい』っていうことになります。

I'd like some information about hotels.
 
『ホテルに関する情報をいただきたいんですが』

なんていうこともできます。I'd I would の短縮形ね」

E It is a lot of fun to skate in the lake.

「この It は何の It だろう?時間?お天気?」

「これは仮主語の It っていって、to 以下のことをさします。この文章は To skate in the lake is a lot of fun. と同じなの」

 It is a lot of fun to skate in the lake.  

= To skate in the lake is a lot of fun.

「ふーん。そうなのかー。仮主語の It ね。 あ、それから a lot of は熟語だって辞書に書いてあったけど、これはどうしたらいいの?」

a lot of って『たくさんの』っていう意味の、前置詞 of が含まれている熟語だね。こうなってるの」

(たくさん) (楽しみの)
   a lot  ← ( of  fun )
   名詞     p  op

「こんなふうに前置詞句が前の名詞を修飾しているって書いてもいいんだけど、ごちゃごちゃしてわかりにくくなるから、 a lot of っていうひとかたまりで、『たくさんの』っていう形容詞みたいに考えようか。熟語の意味をありがたくいただこうね」

「そうなのかー。うーん。じゃ、こんな感じ?」

「仮主語の It はそのまま主語でいいのね?」

「そう、主語なの。そして、時間やお天気の時のように『それは』とは訳さないの。訳さないけど主語なの」

「あ、もしかしたら不定詞って前回やった動名詞と同じじゃない?不定詞句も動名詞句も他動詞の目的語になってるよ。不定詞って動名詞に書き換え可能?こんなふうに」

I like (to skate). <不定詞> (私はスケートをするのが好き)
 s  v   o

I like skating. <動名詞> (私はスケートをするのが好き)
 s  v   o

「うん、この場合は書き換え可能だね。でも、全部の不定詞が動名詞に書き換え可能ってわけじゃないの。なかには、目的語として不定詞しか取らない動詞とか、動名詞しかとらない動詞があったりするわけ」

「あら、思ったほど簡単にはいかないのね」

◆目的語に不定詞、動名詞のどちらもとる動詞

begin(始める), like(好む), hate(きらう), start(始める), love(愛する)...

They began (to sing).  (不定詞)
  s   v    o
 彼らは始めた/(歌うことを)
『彼らは歌い始めた』

They began singing.   (動名詞)
  s   v    o
 彼らは始めた/歌うことを
『彼らは歌い始めた』

I like (to get up early).   (不定詞)
 s  v     o
 私は好きだ/(起きることが/早く)
『私は早く起きるのが好きだ』

I like (getting up early).   (動名詞)
 s  v     o
 私は好きだ/(起きることが/早く)
『私は早く起きるのが好きだ』

 

◆目的語に不定詞しかとらない動詞

hope(望む), ask(たのむ), plan(計画する), expect(期待する), want(〜したい), need(必要とする), decide(決める)...

He doesn't want (to know (about that)).
 s   助     v        p   op  
               o
 彼は欲しくない/(知ることを/(それについて))
『彼はそれについて知りたがっていない』

We decided (to take a taxi).
 s    v      o
 私たちは決めた/(take することを/タクシーを)
『私たちはタクシーに乗ることに決めた』

◆目的語に動名詞しかとらない動詞

enjoy(楽しむ), finish(終える), mind(気にする), give up(あきらめる) ...

I enjoy dancing.
 s  v    o
 私は楽しむ/ダンスを
『私はダンスを楽しむ』

Would you mind (closing the door)?
  助   s   v     o
 あなたは気にされますか/(ドアを閉めることを)
『ドアを閉めていただけますか』

「あちゃー。どうやって見分けたらいいの?不定詞が目的語になるか、動名詞が目的語になるかって!」

「それは動詞によって決まるの。目的語に不定詞をとるか、動名詞を取るかわからない場合は...」

「辞書や文法書で調べるわけね。くー」

「そういうこと。それから、不定詞句は主語や補語や他動詞の目的語になることはあるけど、前置詞の目的語になることはありませんからねー」