クマが教える英語のしくみ


7-1■ 受け身なワタシ ■

「さて、今日は受動態の勉強しましょう。いままで、『AがBを〜する』という文章を勉強してきましたが、これは、見方をかえると『BがAによって〜される』というふうにも考えられるわけです。同じこと言ってるんだけど見方が違うわけね。例えば、ボクがケイコちゃんのほっぺをつねると、ケイコちゃんのほうからするとつねられる。ケイコちゃんが怒ってボクをひっぱたくと、ボクはケイコちゃんにひっぱたかれる

「なんか今日の勉強は痛そうね」

「はは。たまたまそういう例になっただけです。で、今まで勉強してきた『〜する』っていう動詞の形を『能動態』(のうどうたい)っていって、反対に、『〜される』という動詞の形を『受動態』(じゅどうたい)といいます」

「はー。『〜される』と『受動態』と」

「そう。で、その受動態は『be動詞+他動詞の過去分詞』という形になります。まずは能動態の文章から考えていこうね。『彼らはその猫を愛している』という文章を作って、それを分析してみてください」

「彼らは...だから、they...」

「そうだね。この文の主人公は『彼ら』です。では今度は『猫』の方にスポットライトをあてて『猫』を主人公にしましょう。つまりこれを、『その猫は彼らに愛されている』という受動態の文章に書き換えると、こうなります...

The cat is loved by them.
『その猫は彼らに愛されている』

これも分析してみてください。ちゃんと『be動詞+他動詞の過去分詞』という形になっているかどうかチェックしてみてね」

「えーっと。動詞の部分はちゃんと『be動詞+他動詞の過去分詞』になっていました。そのあとの"by them"がなんだか変な感じ。『〜によって』っていう意味の前置詞の "by" が突然出てくるのね。それから、前置詞のあとだから、"they" じゃなくて "them" になってるのもわかります。でも、さっきまで主語だったのに、今じゃ前置詞句の一部になってしまうなんて...カワイソウ」

「泣かないでね、ケイコちゃん。それじゃ、例文でいろいろな受動態の文章に慣れていきましょう」

「あ、受動態の文の、疑問文、否定文をまだ習ってないんですけどー」

「分析していくうちにわかります」

「えー!?」

@ A lot of money was stolen.

A This house was built in 1960.

B This room is cleaned every day.

C "Did you go to the party?" "No, I wasn't invited."

D When was the telephone invented?

E I was born in Chiba in 1980.

F "May I help you?" "I've been helped, thank you."

G I want to be loved by you.

「もー、最近手抜きなんだからー。ま、やってみましょう。『be動詞+他動詞の過去分詞』で『〜される』っていう受動態なのね。過去分詞って現在完了のときだけに使うわけじゃないのかー」

「be動詞が過去だから、『盗まれた』って過去の文として訳しちゃった。これでいいの?」

「いいの。正解」

「よかった。ところで『by〜』っていう前置詞句はなくていいんですか?」

「はい。なくていいんです。誰によってそれがなされたのかわからない場合や、当然みんなが知っていて、言わなくてもわかるような場合は『by〜』っていう前置詞句はなくてもいいんです」

「日本語では『〜される』とは言わない状況がよくあるよね」

「そうね。『お皿が割られている』っていうより、『割れている』っていうものね。 家では『お皿が割れている』っていうと、お母さんは『あんたが割ったんでしょ!』っていうけど」

「それ、ホントに割っちゃったんでしょ?」

「このあと一波乱あったでしょうね」

「うん、絶対」

「え?なになに?『いつ電話が招待されたか?』???」

invite(招待する)じゃなくて、invent(発明する)なの!」

「あ、そうか。あはは」

E When was the telephone invented?
    副   助     s      v
いつ/電話は/発明されましたか
『電話はいつ発明されましたか』

「そうすると、疑問文、否定文はbe動詞のパーターンね」

「そういうこと」

「『生まれた』も受動態なのかー」

「現在完了だってのはわかるんですけど、なんとも訳しにくいね、この"help"」

「これはね、お店の人が『いらっしゃいませ(私でお役に立てますか?)』と聞いてきて、お客さんが『もう(別の係の人に)接客されています』っていう風に答えている例文なのね」

「そうかー。じゃ、『お客様は...』『あ、もう接客してもらってます。ありがとう』って感じの訳かな?うーん難しい。翻訳家は大変だー」

H I want to be loved by you.

「なにこれ。不定詞+受動態って感じ?『to のあとに動詞の原形』それと『be動詞+他動詞の過去分詞』がいっしょになってるね」

「そうそう、不定詞の受動態。たしかマリリンモンローの歌だったような...」

「まあ、なんて例文でしょ。ポッ」

「ポッって言ってるわりに、顔が赤くなっていないんですけど」

「いいの!」